応募作品-2025年-
チームの特徴
瀬戸SOLAN学園6年生の3人組。全員が、別々の市に住んでいるので、活動拠点は学校と、学校の近くの商店街にある「瀬戸くらし研究所」のコワーキングスペースに置いて、学校の探究活動の時間や、放課後、休日を利用しながら製作を進めました。 リーダーは、映画づくりに携わることを夢見るS。絵を描いたりブロックで何かをつくること、もちろんマインクラフトも大好きで、まちづくりのイメージ、設計、デザインを担当しました。去年のお正月に家族で帰省した石川県で初めての大きな地震にあった経験から、様々な想いをこめて、ワールドに表現しました。Sと一緒に2年前の大会に出場したYは、プログラミングや座標の計算が得意。あっという間にうごく仕組みを作っていきます。また、難しい資料を素早く読み込んだり、初めて出会った人ともすぐに打ち解けて会話を楽しめるという特技を生かして、文献調査やインタビューでも大活躍しました。もうひとりのYは、今年新しくチームに加わったメンバーで、マイクラはほぼ初心者でした。大会期間を通じて、自分で買った本やインターネットを通じてマイクラのスキルを上げ、最後にはほかのメンバーが作ったNOT回路の防火扉を改修し、ストラクチャーブロックに格納してみんなに配るなど、大きな戦力としてチームに貢献しました。
チームメンバー
3名
作品の中で最も注目してみてほしいところはどこですか?
苦労した点や、工夫したところなども教えてください。
チームのメンバーで「空島」と呼んでいるこの建物は、この街の防災・レジリエンスのシンボルです。平常時は地上に、災害発生時は、災害の種類によっては空中に上昇します。この空島には、災害対応で特に重要となる機能を乗せて、街のダメージを減らし、正常化・回復を早められたらと考えました。具体的には、街を見守るモニタールームやデータセンター、議会や消防・警察といった、重要な機関を置いたり、病院や物流センターといった施設との通信機能、オンラインで授業が配信できるようにもしました。平時は地上にある設定なので、そんな形状に仕上げられるようにもこだわりました。(座標 530, 143, 551) この空島と街の施設や防災設備は繋がっています 各施設やエリアにいる、解説ロボッ太・ロボッ太郎を見つけたら、ぜひ、声をかけてみてください!この街の防災・レジリエンスを作る仕掛けを解説してくれます!
どのようなことを調べましたか?本やネット等、何を使って調べたか。
場所や物、事柄を具体的にお書きください。
フィールドワーク・探究学習の時間の活用・個人調査を行いました。フィールドワークでは、まず名古屋市港防災センターへ出向き、地域や地形に応じた防災対策の違いや、自助・公助・共助の重要性、人とのつながりの大切さを学びました。次に、せと末広町商店街に出かけ、町おこしや環境保全に携わる人々、市議会議員の方から、地域のつながりや防災の取り組みについて話を聞き、人が集まる場をつくるためには建築面の工夫と魅力的な企画運営の両方が必要と知りました。石川県七尾市にも向かいました。災害時に被災者へ温かい料理を提供し、現在は観光誘致や文化継承に尽力するシェフらの活動から、復興・レジリエンスの姿を学びました。さらに学校の探究学習ではアメリカの高校からのゲストや学校の外国人の先生たちへの取材や意見交換を行い、個別学習では本や新聞、インターネット、行政・大学資料、家族からの聞き取りを通じて情報を収集しました。
プログラミングやレッドストーンなどに対して、
どのように挑戦しましたか?
災害に強く、被災したときにも、最小限の人数で、被災地、特に病院や、多くの避難者が集まる施設に、物資が滞りなく送り届けられるような物流施設があればと考えました。僕が体験した能登半島地震では、地震のあと、道路が寸断されるなどして物流網が断ち切られてしまったことで、大変な思いをした人がたくさんいたことを覚えているからです。そこから、再生エネルギーを使って「自動化されている」という未来の物流の様子をレッドストーンを使い、できるだけリアルに表現したいと考えました。
最先端の物流拠点の動画を何度も繰り返し観たり、スイスやイギリスに加え、僕たちの地元の長久手市で行われている地下物流の構想や実験の情報なども調べながら、自分なりに、地下物流のイメージも固めて、地上と地下も自動で荷物が移動するよう、回路で表現しました。(座標 338, 32, 864)
どのような計画を立てて
制作をすすめていきましたか?
5月は調査とワールドの構想を練り、6月以降の作業計画を立てる期間にしました。ところが6月に入ってから、ほとんどのエリアで1カ月間作業が進まず、チームはピンチに陥りました。6月下旬に、チームみんなで真剣に話し合い、進まなかった原因を分析した結果、自分の予定や分担がを把握していなかったり、他のゲームをやってしまったりと、作業時間を確保する努力の不足などの反省点が上がりました。7月からはスケジュールを立て直し、完全に個別にエリアをわけて担当制にしていたものを、メイン担当とサブ担当の2人で作るようにするなど、分担方法を見直しました。また、各自が反省を活かして作業時間を確保したところ、結果として、2回目の計画はほぼ予定通りのペースで作業が進むようになりました。
「作品テーマ」をワールド上でどのように表現していますか?
防災技術は、再生エネルギーを生む装置や災害発生時に自施設で使う水や電気などをまかなう設備(貯水槽や浄化装置、自家発電機など)、免震・耐震構造をもつ建物や高架、代替手段が確保された輸送網(地上電車・地下物流)を表現しました。避難が困難な子どもや病人などが集う学校・病院は町の高台に建築したので、他の人は自分の避難に集中できます。レジリエンスについては、建物も、人も自分の強みや特徴によって、平常時・災害発生時・復興時で、それぞれ街に必要な貢献ができます(スポーツ、料理、外国語、音楽などなんでも)。街を歩いているだけで「あ!楽しそう」と感じた場所にふらっとよれて、得意なことで活躍したり、好きなことを通じてつながることができるようにしました。この街を好きになる。災害発生時・復興時にもお互いを助け合う絆ができる。街のため、大好きな人のために頑張れる。その気持ちが、この街が備えたレジリエンスです。