イベントレポート
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東京藝術大学芸術未来研究場にて「マイクラでデジタル御輿をつくろう」ワークショップを開催しました
2025年8月22日・24日に、東京藝術大学芸術未来研究場(以下:藝大)と連携して、子ども達の創造力を育むことを目的に「マイクラでデジタル御輿をつくろう」ワークショップを開催しました。
国内唯一の国立総合芸術大学である東京藝術大学が開催する「藝祭」の御輿制作の現場を藝大生やアーティストと一緒に見学し、アイデアを考え、子ども達自身も作品づくりに挑んだ2日間の様子をお届けします。
Day1(8月22日):藝祭に向けた“御輿の制作現場”に潜入!
藝祭に向けた御輿の制作現場をめぐる
1日目は、御輿(みこし)についての基礎知識を学んだ後、東京藝術大学キャンパスにて御輿の制作現場を見学しました。



御輿制作の現場では、本番に向けて制作途中の大きな御輿を見せてもらい、特別に制作中の学生から詳しく説明してもらう時間もありました。
御輿の他にもマケット(構想を形にするための小型の模型)や、藝祭当日に着用する法被も紹介してもらいました。




藝大生が大きな御輿を協力して作り上げていく様子や精巧に作られたマケットを見て、子どもたちは、「え〜!かっこいい!」「あとどれくらいでできるの?」と驚きと期待を口にしていました。
見学後、5人ずつのグループに分かれて、自己紹介やアイスブレイクを通じてチームビルディングを実施。
2日目からの共同制作に向けて、仲間意識を育みました。


普段はなかなか入れない藝大の中を歩きながら、制作途中の「御輿」に触れる貴重な時間となった1日目。
さいごは、2日目のワークショップに備えて「『自分がつくりたい、みんなでつくりたい御輿』を紙粘土や絵で表現してくる」という宿題を伝え、初日のワークショップが終了しました。
Day2(8月24日):アイデアを形にし、マイクラで制作
自分の感性を活かして立体造形物をつくる
2日目は、宿題としてつくってきた紙粘土や絵を提出するところからスタート。
動物をモチーフにしたもの、空想上の生き物や果物をモチーフにした御輿など、子どもたちの自由な発想が溢れていました。


座学では、藝大出身の建築家・秋田さん、鶴田さんによる特別授業が行われました。
藝大御輿のつくり方や、過去の御輿を3Dスキャンしたデータを元に、細かい装飾などを観察。
御輿をいろんな角度から表現することや、御輿をつくるための具体的なプロセスを教えてもらいました。



さらに、実際に御輿の制作に関わった藝大生からも作品の特徴やこだわった点などを教えてもらいました。


また、マインクラフトの講座は、Minecraftカップ大会ディレクターの土井が担当。
大きな制作物をつくったり、球体を表現したりする時に使えるMakeCode(ビジュアルプログラミング)の紹介をはじめ、マイクラでの作品制作のコツを伝えました。

その後、各グループでアイデアを持ち寄り、話し合いながらテーマを決定。
藝大生ファシリテーターが寄り添い、「みんなのアイデアをどう組み合わせる?」「どうやって決めていく?」と問いかけることで、紙粘土や絵を描きながら、みんなでつくる御輿の方向性をまとめていきました。


教育版マインクラフトを使ったデジタル御輿制作に挑戦
役割を分担しながら作業を進め、時には「この部分はもっと大きくした方がいいね!」などと声を掛け合いながら形をつくっていきました。


制作途中で、グループごとに進捗や良いところを共有しながら作品をアップデートする時間も。
本ワークショップでは、「作品鑑賞」も子ども達の創造力を育むための目的のひとつです。
他グループの作品の良いところを真剣に探し、付箋にコメントを書いて共有しました。



グループでつくったデジタル御輿のこだわりポイントを発表!
そうして、いよいよ2日間の成果を発表する時間です。
合流した保護者をはじめ、会場全体に向けて2日間の成果を発表しました。
できあがった御輿のこだわりポイントや、注目して欲しい部分。
台座の上に描かれた御輿の物語などを、子どもたち自身の言葉で表現してくれました。

チームワークが光ったグループや、個々人の個性があらわれたチームなど様々で、子どもたちのアイデアあふれる4つの御輿が生まれました。




発表後はファシリテートしてくれた藝大生や先生の皆さんから、子どもたちの作品にコメントをいただきました。


最後には、東京藝術大学 芸術未来研究場 特任准教授であり、アーティストでもある建築家の森さんから、アーティストがつくった作品に付随する権利や著作権、作品の使用許諾についてレクチャーを実施。
子どもたちは、運営が用意した「御輿データ使用に関する同意書(こども用)」にサインを行い、模擬的にではありますが、11月に予定している展示に自分の作品を出展する許可をくだしました。


会場には、東京芸術大学特任教授の井上さんや、東京芸術大学学長の日比野さんにもお越しいただきました。
最後はみんなで、Minecraftカップの”M”ポーズで記念撮影!

デジタル御輿は3Dプリンターで出力し藝大にて展示予定
子どもたちがつくったデジタル御輿は、3Dプリンターで出力して、11月に藝大にて展示される予定です。
子どもたちが作った作品を、ぜひ会場まで見にきてください!




アート × デジタルで広がる、子ども達の未来
東京藝術大学と連携したワークショップは、前回のワークショップをブラッシュアップして、「芸術」と「テクノロジー」をつなぎ、子ども達の中にある「こんなことを感じた」「こんな表現をしてみたい」を大切にして、“表現する力”と”鑑賞する力”を育む試みでした。
東京藝術大学という本物のアートの現場と、マインクラフトという自由な創造空間を行き来することで、子ども達が自分自身の感性に気づき、思考が広がるきっかけになったと思います。
今後もMinecraftカップでは、さまざまな取り組みやワークショップを通じて、子ども達の自由な発想と表現を応援していきます。
前回のワークショップレポートはこちらから
第7回Minecraftカップ開催中!
第7回Minecraftカップの作品締切は、9月4日までです。
まずは、作品オリエンテーション動画をチェック!
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