• イベントレポート

東京大学安田講堂にて「教育版マインクラフトで東大150年の歴史を学ぶ」ワークショップ&特別トークイベント&マイクラ体験会を開催しました

10月18日(土)、東京大学 本郷キャンパス・安田講堂にて、

・「教育版マインクラフトで東大150年の歴史を学ぶ」ワークショップ

・特別トークイベント「子ども・あそび・東大の未来」

・「教育版マインクラフト体験会」を開催しました。

本企画は、東京大学ホームカミングデイ2025の特別プログラムとして、主催:東京大学(ホームカミングデイ実行委員会)、共催:特定非営利活動法人デジタルものづくり協議会のもと実施されました。

当日は、ワークショップに小学生と保護者18組、体験会には親子連れ125組が参加。

会場は、教育版マインクラフトの世界と、大学というリアルな学びの場が交差する、ワクワクと驚きに満ちた空間となりました。

(東京大学 安田講堂の外観)

  

「教育版マインクラフトで東大150年の歴史を学ぶ」ワークショップについて

マインクラフト教育の第一人者であり、Minecraftカップ全国大会審査員長のタツナミ シュウイチさんと、東京大学大学院情報学環教授の渡邉 英徳先生による特別ワークショップを開催しました。

 

STEP1:東大の歴史を知ろう

子どもたちは、教育版マインクラフトを使って「明治・大正・昭和前期・昭和後期・平成」の各時代をテーマに、東大出身者のNPC(ノンプレイヤーキャラクター:ゲーム内の操作しないキャラクター)を設置したり、当時の東大キャンパスの様子を再現したりしました。

ワークショップの冒頭では、渡邉先生が「写真のカラー化」から始まる歴史の見方を紹介し、時代ごとに活躍した東大出身者について解説。

続いてタツナミさんからは、マインクラフトワールドを紹介。東大にある建物の使われ方や当時の生活について、クイズを交えながら楽しく学ぶ時間となりました。

また、赤門をiPadでスキャンして体験するARコンテンツも登場。子どもたちは“150年の歴史にタイムスリップしたような気分”で、学びを体験していました。

 

STEP2:教育版マインクラフトで東大の歴史を再現しよう

学びのあとは実践へ。

3〜5人のチームに分かれ、当時の学生や教授を演じるNPCを配置したり、建物の外観や内部を再現したりと、創造力を発揮しました。

東京大学 情報学環・福武ホールのカフェを再現するチームや、旧図書館に「当時の学生が本を読んだり、勉強して過ごす談話室」などを再構築するチームなど、子どもたちの視点から見た“もうひとつの東大史”がマインクラフトの世界で次々と生まれました。

制作の中では、建物に火がつき、延焼してしまうハプニングが発生。

しかしそれをきっかけに「関東大震災で実際に火災が起きたこと」を講師が紹介し、ゲーム上の出来事がリアルな歴史学習につながる貴重な瞬間となりました。

この取り組みを支えたのは、東大生スタッフ、日本マイクロソフトの社員の皆さん、デジタルものづくり協議会スタッフが連携した特別運営チーム。

この日、初めて顔を合わせる子どもたちも、次第にチームとして一体感を高めていくようでした。

 

 

STEP3:安田講堂のステージで堂々の発表!

午後には、安田講堂の大舞台で成果発表会を実施。

荘厳なステージに立ち、子どもたちはそれぞれの時代に込めた思いや工夫を堂々と発表しました。

「初めて東大に入って緊張したけど楽しかった」

「今日初めて会った友達と一緒に作品を作れたのが一番うれしかった」

「赤門が格好良かった」

そんな声が子どもたちからあがる中、保護者の方々からは「想像のはるか上をいく体験内容に鳥肌が立ちました」「大変貴重な体験ができました」といった感動の声も聞かれました。

東京大学理事の岩村水樹先生からは「みんなの想像力に本当に驚きました。これからも遊びながら学んでください」とエールが送られました。

(ワークショップ参加の皆さんと)

 

トークイベント「子ども・あそび・東大の未来」

 

続くトークイベントでは、

・タツナミ シュウイチさん(東京大学大学院 客員研究員 常葉大学 客員教授 NASEF JAPAN 理事 Minecraftカップ全国大会審査員長)

・千代田 まどかさん / ちょまどさん(Microsoft米国本社)

・宮崎 翔太さん(日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 パブリックセクター事業本部教育・社会基盤統括本部長) 

・渡邉 英徳先生(東京大学 大学院情報学環 教授 東京大学 コミュニケーション戦略本部 副本部長)

の4名が登壇。

 

情報学環 渡邉研究室の片山 実咲さんも進行に加わり、「子ども・あそび・東大の未来」をテーマに、登壇者それぞれが「今の時代に自分が子どもだったら、どんな遊びや学びをするか?」を語り合い、AI時代の創造的な学びについて熱くディスカッションが交わされました。

タツナミさんからは「良い情報をどんどん取得していってください!」と、探究する力へのエールが贈られました。

そして、ちょまどさんからは「遊びながら学ぶことをどんどん発信していきたい」「親子のコミュニケーションで、どんどん“学びの沼”に入ってほしい」とメッセージが送られました。

(ちょまどさんこと、千代田まどかさん:Microsoft米国本社)

 

渡邉先生は、「今回のワークショップではマイクラを入り口にすることで、東大の歴史のような難しいテーマも子どもたちが自然に学べた。東大で待っています」とコメント。

最後に東京大学執行役 副学長の河村 知彦先生より「みんなの発表を見てマイクラを始めてみようと思った。遊びを極めた人にぜひ東大に来てほしい」と笑顔で締めくくりました。

 

AIスキリングをテーマにした教育版マインクラフト体験会について

 

ワークショップ、トークイベントと並行して、同じく安田講堂にて、子どもたちがAIの仕組みや使い方を学ぶ「AIスキリング」をテーマにした45分間の体験会を行いました。

体験会は、16名ずつのグループごとに分かれ、親子連れ125組が参加。見学者を合わせると、さらに多くの方々に足を運んでいただきました。

体験会では、はじめに「AIの基礎」について動画を使って学んだ後に、パソコンを使ってマインクラフトを操作しながら、子どもたち自身でさらに学びを深めていきました。

  

サポートスタッフとして、日本マイクロソフト社員の方々にもご協力いただき、充実した体験をお届けできたかと思います。

中には、「楽しかった!またやりたい!」と、2回、3回と繰り返し参加してくれるお子さんもいて、マインクラフトを使った学習効果の高さを改めて感じる時間となりました。

 

東大の未来に、子どもたちのまなざしが重なった一日

「遊びながら学ぶ」ことの本質が詰まったこの日。

日本を代表する最高学府である東京大学という「知の場」にて、子どもたちは遊びを通して学びの本質に触れることができました。

マインクラフトの世界でブロックを積み上げ、時代を越えて思いをつなげたその体験は、150年の歴史を持つ大学に新しい風を吹き込んだようでした。

今後もデジタルものづくり協議会は、教育版マインクラフトを活用した学びの場を通じて、子どもたちの創造力を育みながら、デジタルものづくりの可能性を広げていきます。

(当日スタッフのみなさんと記念撮影)

 

デジタルものづくり協議会と東大との取り組みのご紹介

デジタルものづくり協議会(Minecraftカップ)では、東京大学大学院情報学環藤本研究室・渡邊研究室と共同で、教育版マインクラフトを活用した子ども達の教育効果に関する研究を行っています。

大会に参加する高校生以下の子ども達を対象に、作品を応募する前後でアンケートを実施し、大会に参加する前と後で「どんな能力が伸びているか」「個人参加とチーム参加で違いはあるのか」といった項目を調査しています。

本研究は2023年度から開始し、研究成果については、大会公式サイトやワークショップイベントなどでお伝えしています。

(▼詳しくは以下のページをご覧ください)

 

関連リンク

・東京大学ホームカミングデイ公式サイト

https://u-tokyo-hcd.com

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