第6回 Minecraftカップ

大切なMinecraftデータの守り方

参加者からの質問や相談が多かった技術的な内容について、本記事で紹介していきます。

※以下の手順は執筆時点の情報であり、バージョンアップにともない古くなっていきますのでご注意ください。

※この説明で対象とするプラットフォームはWindowsPCとiPadです。その他のプラットフォームでも似たような方法でバックアップ可能ですが、バックアップファイルの取り扱いなどが異なりますのでインターネットで検索するなどして解決してみてください。


ーMinecraftのデータについて

Minecraftで制作活動を継続的に行っていると気がかりなのはそのデータが破損してしまわないかということです。

コンピュータ上のデータである以上、記録メディアの特性などからデータが壊れてしまう可能性はゼロではありません。

また、人間の操作ミスやバージョンアップの影響を受けることもありますので、こまめにデータのバックアップを取っておかないと悲しい思いをすることもあります。

そこで大切になってくるのがデータのバックアップです。ここではMinecraftカップで使用されている教育版マインクラフトを中心に取り上げます。

ーバックアップするべきデータの種類

Minecraftカップに応募しようと考えているみなさんにとって重要なデータは何でしょうか。

審査される内容から考えると、最も重要なのは「ワールドデータ」ですね。

さらに、プログラミングも審査されますので関連するデータのバックアップは欠かせません。

レッドストーン回路やコマンドはワールドデータに含まれますが、コードビルダーの「MakeCodeプログラム」はワールドデータには含まれませんのでワールドデータとは別にバックアップを取っておく必要があります。

この説明で対象とするプラットフォームはWindowsPCとiPadを対象にしていますが、共通している部分は多いと思いますので他のプラットフォームの場合でも参考にしてください。

ーワールドデータのバックアップについて(Windows編)

教育版マインクラフトを起動してサインインしている状態で【プレイ】をクリックします。

【作成した世界を表示】をクリックします。

バックアップしたいワールドをクリックします。

【管理】をクリックします。

【エクスポート】をクリックします。

ファイルの保存場所を聞いてきますので、以下の事項を確認して保存してください。

・保存フォルダを選択(そのままで良ければ変更しない)

・ファイル名を決める(日付を含んだファイル名にすると古いデータも残しておくことができます)

・【保存】をクリックします。

【世界のエクスポートが完了しました】と表示されれば、ファイルに保存が完了したことになります。

念のため、保存したフォルダにワールドデータがあるかを確認してみてください。ファイルエクスプローラーでファイルが見つかれば大丈夫です。

元に戻せるか試したい場合は、ファイルエクスプローラーにあるワールドデータをダブルクリックしてインポートするか、以下のインポートからファイルを選択してインポートして確認してみてください。

(元々のワールドデータとは別のデータとしてワールドデータ一覧に表示されます)

もし、可能であれば契約しているクラウドストレージやUSBメモリなどの外部メディアにバックアップを取っておくとさらに安心でしょう。

データの重要度に応じて複数のバックアップを持っておくことで万が一の場合に備えることができます。

また、教育機関の学習活動でLMS(Learning Management System)を使用している場合は保存したファイルを添付して課題提出することでバックアップすることが可能です。

ーMakeCodeプログラムのバックアップについて(Windows編)

Windows環境ではMakeCodeプログラムの保存方法は2通りの方法があります。1つはURLを共有する方法、もう1つはファイルとして保存する方法です。

◆URL共有◆

1.保存したいMakeCodeプログラムを開き、コードビルダー右上の共有アイコンをクリックしてください。

2.Project Nameの部分に保存するMakeCodeプログラムの名前を入力してください。最初に付けた名前そのままで良ければそのままで大丈夫です。

【Publish to share】ボタンをクリックしてください。

3.発行されたURLを【Copy link】ボタンをクリックするとクリップボードにURLが入ります。

4.コピーされたURLをメモ帳アプリやクラウドメモツールなどを活用して保存しておきましょう。

クラウドメモツールならPCが違っていてもログインできれば取り出せるのでとても便利です。

◆ファイル保存◆

※この方法はWindowsPC環境の教育版マインクラフトのみとなります。後述する方法で、その他のプラットフォームでもファイル保存は可能ですので最後までお読みください。

1.保存したいMakeCodeプログラムを開き、コードビルダー右上の歯車アイコンをクリックしてください。

2.表示されたメニューの【プロジェクトの保存】をクリックします。

3.ファイルのダウンロードが始まるので適切なファイル名を付けて保存してください。

以上です。

ーMakeCodeプログラムの読み込みについて(Windows編)

コードビルダーを起動して、マイプロジェクト一覧が表示されている画面にある【読み込む】ボタンをクリックします。

Windowsの教育版マインクラフトでは2つの読み込み方法があります。

◆URLから読み込み◆

保存しておいたURLをコピーしておき、以下のようにURLの貼り付けをして【つづける】をクリックします。

以上でMakeCodeプログラムが読み込まれます。

◆ファイルから読み込み◆

ファイルとして保存しておいたMakeCodeプログラムを【Choose File】ボタンを押して表示されるファイルダイアログでファイルを指定して開くをクリックしてください。

”No file chosen”のところに選択したファイル名が表示されたら【つづける】をクリックしてください。

以上でMakeCodeプログラムが読み込まれます。


ーワールドデータのバックアップについて(iPad編)

基本的にはバックアップの手順はWindowsと同様です。異なる部分は【エクスポート】ボタンをタップした後です。iPadの場合はファイルの共有として取り扱われるため、以下のファイル共有メニューが表示されます。

※注意点として以下のスクリーンショットは筆者のiPadに特有の表示となっている部分があります。インストールされているアプリによって表示が異なるためです。

この時、共有先を選択することでワールドデータが保存できます。いくつか保存先を想定した事例を以下に列挙してみます。

共有方法共有先
AirDrop他のiPadやMacbookやiPhoneにバックアップ
“ファイル”に保存iPad内ストレージやiCloudにバックアップ
クラウドストレージアプリOneDrive・Googleドライブ・Dropboxなどのクラウドストレージにバックアップ
メールアプリメールの添付ファイルとしてバックアップ
クラスルームアプリ課題提出先に添付ファイルとしてアップロードしてバックアップ
iPadのワールドデータバックアップ方法

このようにiPadの場合はファイル共有による方法でワールドデータをバックアップします。

教育機関の学習活動でLMS(Learning Management System)を使用している場合はそこもバックアップ先として選択することができます。教える立場の方は、予めLMSで課題提出領域を作成しておき、課題提出できる環境を作っておきましょう。

保存したワールドデータをインポートするには、該当アプリからのファイル共有先を教育版マインクラフトにすることでインポートすることが可能です。


ーMakeCodeプログラムのバックアップについて(iPad編)

1.画面上の一番右にあるエージェントアイコンをタップします。

2.保存したいMakeCodeプログラムを開き、コードビルダー右上の共有アイコンをクリックしてください。

3.Project Nameの部分に保存するMakeCodeプログラムの名前を入力してください。最初に付けた名前そのままで良ければそのままで大丈夫です。

【Publish to share】ボタンをタップしてください。

4.発行されたURLを【Copy link】ボタンをクリックするとクリップボードにURLが入ります。

5.コピーされたURLをメモ帳アプリやクラウドメモツールなどを活用して保存しておきましょう。

クラウドメモツールならiPadが違っていてもログインできれば取り出せるのでとても便利です。

ーMakeCodeプログラムの読み込みについて(iPad編)

MakeCodeプログラムを読み込む方法ですが、Windows環境とは異なり【URLから読み込む】のみの方法となります。以下のアイコンをタップします。

以下の紫色のボタン部分をタップします。

クリップボードにコピーしておいたURLを貼り付けて【つづける】をタップすればMakeCodeプログラムが読み込まれます。

iPadのMakeCodeプログラム読み込み方法は以上です。


ーWeb版MakeCode for Minecraftでファイルに保存する方法

さて、WindowsPC環境では*.mkcdというファイルによる保存が可能であることは説明しました。では、Windows以外の環境ではURLでしか保存出来ないのでしょうか。ファイルとして保存しておきたい、という人もいるかもしれません。

そんな時に役立つのがWeb版MakeCode for Minecraftです。

Microsoft MakeCode for Minecraft

Minecraft用のMakeCodeはMinecraftに内蔵されたコードビルダーの中だけではなく、Web上でアクセスできるものがあり、上記のサイトで開くことができます。

教育版マインクラフト内蔵のコードビルダーと異なり、Minecraftを起動しなくても使うことが出来ますが、一方で作成したプログラムの実行をすることはできません。

このWeb版MakeCode for Minecraftを使うことで、ファイルに保存できないプラットフォームでもファイル保存が実現できます。

多少手間はかかりますが、次の手順で操作します。

【URL共有のみのプラットフォーム】

1.コードビルダーでプログラムを作成して【URL共有】をしてURLをコピーしておきます

2.Web版MakeCode for Minecraftを開いて【読み込む】をクリックします

3.2でコピーしておいたURLを貼り付けて【つづける】をクリックします。

4.プログラムがWeb版MakeCode for Minecraftに読み込まれます。

5.Web版MakeCode for Minecraftの右上にある歯車マークをクリックして【プロジェクトの保存】をクリックします。

6.ファイルのダウンロードが始まるので適切なファイル名を付けて保存してください。

以上が、ファイルに保存できないプラットフォームで、*.mkcdファイルにMakeCodeプログラムを保存する方法になります。

この方法を使えば、iPad環境でもSafariでWeb版MakeCode for Minecraftにアクセスすることでファイル保存ができるようになります。


バックアップ作業は、データが消えて悲しい思いをしないためにとても大切な作業です。

こまめにバックアップを取っておくことで、未来の自分に「助かったよ、ありがとう!」と感謝されるようにしておきましょう。

<執筆協力:星野 尚>

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