お知らせ
広島・長崎マイクラ平和ワークショップが「2024年度グッドデザイン・ニューホープ賞 優秀賞」を受賞しました
Minecraftカップが、東京大学大学院 渡邉研究室・藤本研究室らとともに、企画・開催した広島・長崎マイクラ平和ワークショップ「きのこぐものしたにあったまち −ブロッククラフトで学ぶ広島・長崎歴史探訪ワークショップ−」が、2024年度グッドデザイン賞・ニューホープ賞 優秀賞を受賞しました。
ワークショップ概要
「原爆が公園の上に落ちてよかったですね」感想文に書かれた無邪気な一文。
一発の原子爆弾によって焦土と化した広島・長崎の爆心地は様々なひとが日常を営むかけがえのない街であった。
原爆投下前の「まち」「ひと」「くらし」を歴史資料とサンドボックスゲームを使って再建するワークショップで、「原爆が奪ってしまったもの」を考える。
私たちの思い(ワークショップ紹介ページより)
ー後世に残すべきは、事実だけでなく、深い痛みと奪われてはならない命や街の尊さであるー
歴史に埋もれてしまう悲惨な出来事を、これからの未来を生きる人々に伝えたい。
そのとき、私たちが伝えたいのは、単なる出来事の記録や教科書の知識ではありません。
街や人の命が奪われるとはどういうことなのか、その痛みと喪失感を理解してもらいたいのです。
しかし、焼け野原の一枚の写真からは、その破壊的な惨禍が奪い去った人々の日々の営みや痛みを想像することは難しい。あるいは、悲惨な歴史と出会うとき、時に人はその痛ましさに心を閉ざしてしまうことがあります。
そこで私たちは、子どもたちが「惨禍と喪失」の歴史と出会う、その瞬間をデザインしたいと考えました。
誰もが体験をしている「日常」の変化に着目し、過去の街や人々の暮らしにしっかりと向き合ってもらえるような機会を、というのがこの企画の出発点です。
この出会いによって、彼らの心に命と日常の尊さが深く響くように願っています。
そして、現在も世界で多くの人々が経験している「惨禍と喪失」に対して、寄り添う心を持ってもらえたら嬉しいです。
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以下のURLでは、2日間で行われるワークショップの流れや当日の様子、参加者や関係者からの感想について、写真や動画でご紹介しています。
また、これまで参加してくれた子どもたちが、たくさんの人や資料から学び、教育版マインクラフトで創造してくれたすべての作品もご覧いただけます。ぜひ訪れてみてください。
ワークショップ紹介ページ:https://peacecraft.info/
グッドデザイン賞 最終審査会・授賞式の様子
2024年12月7日に、最終審査会・授賞式が開催されました。
会場では、最終プレゼンテーションを行い、審査員や来場された方に、ワークショップの取り組みや成果を発表。
審査員の皆さんからは、以下のようなコメントをいただきました。
「終戦から80年近くが過ぎた今、どのように子どもたちに平和の大切さを知ってもらうのかは大きな社会課題である。子どもたちが大好きな“マインクラフト”という遊びのツールを使うというアイデアにより、“失われた街”を再現する圧倒的なモチベーションが生まれる。またその作品群は、保存されることで、さらに多くの人たちに訴求することができる。非常に拡張性の高いデザインであることも含め、高く評価したい」
グッドデザイン・ニューホープ賞公式サイト
・きのこぐものしたにあったまち−ブロッククラフトで学ぶ広島・長崎歴史探訪ワークショップ−
https://newhope.g-mark.org/award/2024/24NHA030002.html
さいごに
2024年末は、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞し、2025年は戦後80年を迎えます。
平和の重要性が日々再確認される中で、非常に意味のある受賞だったと感じています。
それと同時に、教育版マインクラフトの教育的な価値も伝わったのではないでしょうか。
さいごに、このワークショップに参加してくださった皆さま、そして開催にご協力いただきました皆さまに心より感謝申し上げます。
これからも平和学習にとどまらず、教育版マインクラフトを活用した学習に関する探究を続けていきます。
今後ともどうぞよろしくお願いします。