第6回 Minecraftカップ

教育版マインクラフトの設定方法とオススメ設定

参加者からの質問や相談が多かった技術的な内容について、本記事で紹介していきます。

以下の注意事項を読んでから取り組んでみてください。

※ここではWindows版を前提に説明します。

※以下の手順は執筆時点の情報でありバージョンアップにともない古くなっていきますのでご注意ください。

※紹介している手順におけるやり方で不具合等が出た場合、一度デフォルトの設定に戻すようにしてください(詳細は記事内で解説します)。個別のご相談をお受けすることができません。


ー「説明通りに操作しているのに動かない」への対処方法

教育版マインクラフトで制作に取り掛かる前に、その環境に慣れるためにまずは自由にワールドを探検したりすると思いますが、動画やWebサイトの情報を元に操作しても同じにならないといった現象を経験することがあります。

様々なケースをヒアリングしていると、はじめてマインクラフトを起動した際にあちこちボタンを押してみたくなって押している内に設定が変わってしまってこの状態になってしまうことがあるようです。

この記事では良くあるケースをクローズアップして対処方法を説明します。

ー全体の設定を見てみよう

教育版マインクラフトの全体的な設定は、タイトル画面の設定ボタンから行います。

設定ボタンを押して画面が変わると最初は「アクセシビリティ設定」が表示されます。この設定では操作上のニーズに配慮した設定を行うことができます。読み上げ機能などによってプレイヤーをサポートしてくれる一方で、誤って設定しまうことで操作がスムーズにできなくなるケースもあります。このような場合は、デフォルト設定に戻す、ということを試してみましょう。

デフォルトに戻す、というのは教育版マインクラフトをインストールした時の最初の設定に戻す、という意味です。これは、設定画面に共通した操作で各設定を戻すことができます。

例えばアクセシビリティ設定の設定項目を下の方にスクロールすると「デフォルトに戻す」というボタンがありますので、こちらのボタンを押すことで初期設定に戻すことが可能です。

ー操作方法の設定について

次にマインクラフトのプレイヤーの操作方法に関する設定です。

  • キーボード&マウス
  • コントローラー
  • タッチ

の3つがありますが、ここでは「キーボード&マウス」を取り上げます。

キーボードとマウスの設定には、キーボードレイアウト設定があり、ここでキーの割り当てを変更することができます。通常は、デフォルト設定で操作説明しているWebサイトや動画がほとんどだと思いますので、ここの設定を誤って変更してしまうと「説明通りにならない」ということになってしまうのです。

こちらの設定もデフォルト設定に戻すためには、一番下までスクロールして

一番下にある「デフォルトの設定に戻す」をクリックすることでインストール直後の状態に戻すことができます。

Webサイトや動画の通りにやってもうまく操作できない時は、この作業をやってみましょう。他の設定項目についても同じ方法で初期値に戻すことができますので確認してみてください。

「説明通りにならない・・・」と思ったら「デフォルトの設定に戻す」を試しましょう。悩む時間が減るかもしれません。

ー制作活動にオススメの設定について

3D酔いを軽減するための設定

※3D酔いは個人差が激しいため、この設定をしても完全に防止することはできませんので予めご了承ください。

※3D酔いしたら無理をせず、画面から目を離して十分な休憩を取りましょう。

主な設定はプレイヤーが歩いている時の画面の揺れを抑えることと視線を移動するマウスの操作感度を下げることです。まずはこの2つの設定を調整してみると良いでしょう。

「設定」→「ビデオ」→「画面の揺れ」をオフ

「設定」→「キーボード&マウス」→「感度」15程度

ーワールドの設定

制作活動をはじめるにはベースとなるワールドをどうするかは重要なポイントです。

「新しく作る」をクリックしてワールドを作成します。

街づくりをする際にランダムに生成される地形から構想した街を作る場合は「新規」からワールド設定をしてからスタートします。

いわゆるスーパーフラット(平地)にする場合はテンプレートの方に「草ブロック」というテンプレートがありますのでそちらからスタートします。

「新規」をクリックするとワールドの細かい設定をする画面が出てきます。

「世界の名前」は、応募する際にワールドデータをエクスポートした時のファイル名になるので分かりやすい名前(最後に保存した日付やバージョン番号も含めておくと管理しやすいでしょう)を付けておきましょう。マイワールドという名前のファイルがたくさんあると混乱してしまうので注意しましょう。

制作に適しているデフォルトゲームモードはその名の通り、「クリエイティブ」ですね。モンスターがいない方が良い場合は難易度を「ピース」にしておきましょう。

ここで「教室モード」をクリックしてみましょう。こちらの設定を以下のように設定すると、先程の「ゲーム」の設定項目で関連するところが自動的に変更されます。

制作活動が目的なので

  • 常に昼間(オン)
  • 常に晴天(オン)
  • 破壊可能なアイテムを許可(オフ)
  • プレイヤーのダメージ(オフ)
  • プレイヤー同士のダメージ(オフ)

といった設定にします。

再び「ゲーム」の設定に戻って追加の設定を行いましょう。

コマンドやMakeCodeプログラミングをする場合は座標が重要な情報となるので「座標を表示」をオンにしておきましょう。

すでに破壊可能なアイテム許可をオフにはしていますが、念のため、制作時には避けたいTNT火薬の爆発など破壊につながるものはオフにしておくことをオススメします。

コマンドやMakeCodeを使うなら「チートの実行」がオンであることを確認してください。

制作するワールドの内容によっては、この設定を変更する必要性があると思いますので、その場合は状況に合わせて変更してみてください。

ーバックアップの重要性

破壊系アイテムの設定をオフにしたとしてもワールドデータが何らかの原因で壊れてしまうこともあるかもしれません。その場合に備えて「バックアップ」は忘れずに定期的に行っておきましょう。作成した世界にあるバックアップ対象のワールドをクリックしてから「管理」をクリックします。

コピーは同じワールドのコピーを増やしますが、これは直前の状態を残しておいて続きをコピーしたワールドで行うことで、万一破壊してしまった場合でもコピーした時点まで戻れるので作業する前にコピーしておくのも1つの方法です。

さらに、「エクスポート」をするとワールドデータをファイルとしてバックアップしてクラウドにアップロードしたり、USBメモリなどの別のメディアにバックアップが取れるようになります。念には念を入れてしっかりとバックアップを取っておきましょう(※間違って「削除」をクリックしないように注意してください)。

コードビルダーのMakeCodeで作成したプログラムは上記の方法ではバックアップされませんので、コードビルダーの「共有」ボタンをクリックしてURLをメモ帳やスプレッドシートなどに保存しておくと良いでしょう。

「プロジェクトの保存」はファイルとして保存が出来ます(Windowsのみ)ので、大切なプログラムはしっかりとバックアップを取っておきましょう。

ファイルへの保存が出来ないプラットフォームでは共有したMakeCodeプログラムのURLをWeb版マインクラフトMakeCode(https://minecraft.makecode.com/)をPCのWebブラウザに読み込ませてそこからファイルに保存することが可能です。

ーワールド設定の注意点

ワールド設定の中に以下の設定がありますが、デフォルトでは「変更可能な世界」が「オフ」となっています。

これから建築するのですから変更するためには「オン」にしないと、と思ってしまいますが実はオンにしてしまうとワールドが変更出来なくなってしまいますので注意してください。実際にブロックが置けないという質問があった時、この設定がオンになってしまっていた事例があります。

マインクラフトの言語設定を英語にしたことがある人は知っていると思いますが、この設定項目は

「Immutable World」(不変の世界)

なのです。つまり、オンにすると変更が出来ない(不変の)世界になるのです。ブロックが置けない時は確認してみましょう。

マインクラフトの設定画面には様々な設定がありますが、今回は制作を目的とした場合のオススメといくつかの注意点について説明しました。作品制作を行う際の参考になれば幸いです。

<執筆協力:星野 尚>

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